2026年6月1日、バンコクの地下鉄MRT(ブルーライン・パープルライン)が大きく変わりました。
長年にわたって旅行者に親しまれてきたプリペイド式の旧型磁気カード(MRTカード・MRTプラスカード)が完全に使用不可となり、支払い方法がEMVコンタクトレス(タッチ決済)または1回乗車トークンへと一本化されました。
「先日バンコクに行ったときに買ったMRTカードがまだある」「次の旅行でも使えると思っていた」という方には重要なニュースです。この記事では変更内容を整理し、今後の旅行に役立つ情報をお伝えします。
今回の変更で何が変わったか
バンコクのMRTを運営するBEM(Bangkok Expressway and Metro)は、MRTブルーラインとパープルラインの全駅で、旧型磁気カードによる入出場を2026年6月1日より停止しました。
これはタイ政府が推進する「共通チケット政策(Common Ticket Policy)」の実現に向けた大きなステップです。MRT・BTS・バス・ボートなど複数の交通機関を1枚のカードで乗り継げる統合交通システムの構築を目指しており、まずMRT2路線でEMV決済への完全移行が実施されました。
変更の対象となった支払い手段は以下の2種類です。
- MRTカード(旧プリペイド式磁気カード)
- MRTプラスカード(チャージ機能付き磁気カード)
いずれも2026年5月31日が最終使用日でした。
廃止スケジュール
今回の変更は、段階的に進んできたプロセスの最終段階です。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年3月1日 | 旧カードの払い戻し受付開始 |
| 2026年4月1日 | 旧カードへのチャージ(積み増し)停止 |
| 2026年5月31日 | 旧カードの使用最終日 |
| 2026年6月1日 | 旧磁気カード完全廃止・EMV決済へ移行(現在) |
| 2027年1月1日(予定) | 1回乗車トークンも廃止・QRチケット方式へ移行 |
| 2027年12月31日 | 旧カードの払い戻し受付終了(最終期限) |

旅行者が今使える3つの乗車方法
旧型磁気カードが使えなくなった現在、旅行者が利用できる主な乗車方法は3つあります。

① クレジットカード・デビットカードのタッチ決済(最もおすすめ)
日本から持参したクレジットカードやデビットカードを、改札機の「TAP HERE」マークに直接タッチするだけで乗車できます。事前の登録やアプリのインストールは一切不要です。
対応ブランド:Visa / Mastercard / UnionPay
乗り方は非常にシンプルです。
- 入場時に改札機のタッチパネルにカードをかざす
- 降りる駅の改札機にもう一度かざす(運賃は自動精算)
一点だけ注意が必要なのは、スマートフォンのApple PayやGoogle Payは改札で弾かれるケースがあることです。物理カードを必ず持参するようにしてください。
② 1回乗車トークン(コイン型乗車券)
各駅の自動券売機で購入できるコイン型の乗車券です。現金で購入でき、設備の知識がなくても使えるため、旅行の最初の乗車や慣れないうちに便利です。
ただし、2027年1月1日にはこのトークンも廃止される予定です。2027年以降はQRチケット方式に切り替わる見通しのため、将来的には注意が必要です。
③ Mangmoom(マンムーム)EMVカード
MRT専用のEMVコンタクトレスカードで、MRT全4路線(ブルー・パープル・ピンク・イエロー)で利用できます。ただし、現時点ではタイ国民ID保有者のみが入手できるため、外国人旅行者には対象外となっています。
旧カードを持っている場合の払い戻し方法
以前バンコクを訪れた際に購入したMRTカードがまだ手元にある方も、心配は不要です。払い戻しは2027年12月31日まで受け付けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 払い戻し場所 | MRTブルーラインまたはパープルライン各駅の窓口 |
| 払い戻し内容 | カード残高 + デポジット(カード保証金) |
| 払い戻し期限 | 2027年12月31日(この期限を過ぎると返金不可) |
次のバンコク旅行の際にまとめて払い戻すのが現実的な方法です。駅の窓口スタッフに「I’d like to refund my MRT card.」と伝えればスムーズに対応してもらえます。
2027年以降の展望
今回の変更はバンコク公共交通の大きな転換の始まりに過ぎません。
2027年1月には、現在も使用できる1回乗車トークンが廃止され、QRチケット方式へ移行する予定です。さらに同時期には、タイ政府が推進する「共通チケット政策」が本格始動し、EMVタッチ決済1枚でMRT全路線・BTS・路線バス・ボートすべてに乗り継げるシステムが実現する見通しです。運賃の上限も60バーツに設定される計画があり、旅行者にとって大幅な利便性向上が期待されています。
バンコクの公共交通は今、大きな変革の最中にあります。今後数年間で、現金なしで手持ちのクレジットカード1枚だけでバンコク全域を移動できる時代が訪れるかもしれません。
認しておきましょう。それだけで、地下鉄の乗り降りがぐっとスムーズになります。