海外旅行のスーツケースは、容量や素材、ロック、キャスターなど、チェックする項目が多く、選ぶのに迷う旅行グッズのひとつです。しかも、航空会社によって機内に持ち込めるサイズや、預けられる荷物の重さに決まりがあり、見た目や価格だけで選ぶと、空港で困ることもあります。
この記事では、旅行の日数に合う容量の目安、ハードタイプとソフトタイプの違い、ロックやキャスターの選び方、航空会社の手荷物の規定まで、スーツケースを選ぶときの基準を順番に整理しました。
なお、この記事は航空会社や公開されている解説をもとにまとめた「選び方のガイド」で、特定の商品をおすすめするものではありません。手荷物の規定は、航空会社・路線・運賃によって異なり、変更されることもあります。2026年10月時点の情報として、最新の内容は、ご利用になる航空会社の公式ページでご確認ください。
失敗しない選び方の順番
スーツケースは、次の順番で考えると、選びやすくなります。
- 旅の日数と荷物の量から、必要な容量を決める
- 利用する航空会社の規定を確認し、機内持ち込みにするか、預けるかを決める
- 素材(ハード・ソフト)と、フレーム・ファスナーのタイプを選ぶ
- ロックとキャスターなど、使い勝手と防犯の仕様を確かめる
- 重さを確認し、預け入れの重量制限に収まるかを見る
容量の目安

スーツケースの容量は、リットル(L)で表されます。JALの情報サイト「SKYWARD+」では、「日数×10L」が最適といわれていると紹介されています。この目安をもとに、旅の日数別に整理しました。
| 旅行の日数 | 容量の目安 | 向いているタイプ |
|---|---|---|
| 1〜2泊(2〜3日) | 20〜30L | 機内持ち込みサイズ |
| 3〜4泊(4〜5日) | 40〜50L | 機内持ち込み〜中型 |
| 5〜7泊(6〜8日) | 60〜80L | 預け入れ向けの中型〜大型 |
| 8泊以上 | 80L以上 | 預け入れ向けの大型 |
機内持ち込みサイズでは、20〜40Lの商品が多く、1泊2日から3泊4日ほどの旅行に合うといわれています。
お土産の分も考える
行きの荷物でいっぱいになるサイズを選ぶと、帰りのお土産が入らなくなります。お土産を買う予定がある場合は、目安より一回り大きめにするか、折りたためるサブバッグを持っていくのがおすすめです。(この点は一般的なコツで、公式の基準ではありません。)
航空会社の手荷物規定

スーツケースを選ぶ前に、必ず確認したいのが、航空会社の手荷物の規定です。
機内持ち込みの規定
JALとANAの国際線では、機内に持ち込める手荷物は、「機内持ち込み手荷物」1個と「身の回り品」1個の合計2個で、重さは合計10kgまでとされています。機内持ち込み手荷物のサイズは、3辺の長さがそれぞれ55cm×40cm×25cm以内で、3辺の和が115cm以内です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 個数 | 機内持ち込み手荷物1個+身の回り品1個 |
| サイズ | 55×40×25cm以内(3辺合計115cm以内) |
| 重量 | 合計10kgまで |
サイズには、キャスターやハンドル、外側のポケットなどの付属品も含まれます。そのため、規定内のサイズでも、機材や搭乗口の状況によっては、預け入れに変更されることがあります。
機内持ち込みの重さに注意
JAL・ANAなど一般的な航空会社の機内持ち込みは10kgが目安ですが、LCC(格安航空会社)は7kgが主流とされています。スーツケース自体の重さも含めて計算するため、軽いタイプを選ぶと、荷物をたくさん入れられます。LCCでは、手荷物の預け入れに別途料金が必要な場合が多く、重量を超えると追加料金がかかることもあります。
預け入れの規定
預け入れ手荷物の規定は、航空会社や搭乗クラス、路線によって異なります。ANAの案内では、エコノミークラスは1個あたり23kgまで、3辺の合計が158cm以内が基本とされています。ただし、行き先や運賃の種類で、無料の個数や重量が変わるため、航空券ごとに確認が必要です。
大きなスーツケースを選ぶときは、容量だけでなく、重さにも注意が必要です。空のスーツケースだけで数kgあるため、荷物を詰めすぎると、23kgをすぐに超えてしまいます。
ハードタイプとソフトタイプ

スーツケースの素材は、大きく分けて、ハードタイプとソフトタイプがあります。
| タイプ | 素材の例 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ハード | プラスチック、カーボン、アルミ合金 | 頑丈で、防水・防犯性が高い | 本体が重くなりやすい |
| ソフト | ナイロン、ポリエステル | 軽く、外側にポケットがあるものが多い | 衝撃や刃物に比較的弱い |
壊れ物を入れたい人や、荷物の扱いが荒い空港が心配な人には、ハードタイプが向いています。逆に、軽さと出し入れのしやすさを重視する人や、重量制限に余裕を持たせたい人には、ソフトタイプも候補になります。
フレーム式とファスナー式
ハードタイプには、開け閉めの仕組みで、フレーム式とファスナー式があります。
| 仕組み | 特徴 |
|---|---|
| ファスナー式 | 軽く、衝撃を吸収しやすい。全開にしなくても荷物を出し入れできる |
| フレーム式 | 金属のフレームで閉じるため頑丈。ただし本体が重くなる |
ファスナー式は、軽く扱いやすい反面、鋭利なものでファスナーを開けられるおそれがあるという指摘もあります。(この点は一般的な注意点です。)防犯面を重視する場合は、ロックの種類や、ベルトの併用も考えましょう。
ロックの種類と防犯
スーツケースのロックには、キーロック、ダイヤルロック、TSAロックなどがあります。
| ロックの種類 | 特徴 |
|---|---|
| キーロック | 鍵で開け閉めする。鍵の紛失に注意 |
| ダイヤルロック | 暗証番号で開け閉めする。番号を忘れないよう注意 |
| TSAロック | 米国運輸保安局(TSA)の検査官が、専用のマスターキーで開けられるロック |
アメリカへの旅行では、検査で荷物が開けられることがあります。TSAロックでない鍵だと、検査官にロックが壊される場合もあるため、アメリカやアメリカ経由の旅行では、TSAロック対応のスーツケースが安心です。(この点は一般的な説明で、渡航先の規定は事前にご確認ください。)また、スーツケースベルトを併用すると、防犯の面で、より安心できるとされています。
キャスターの選び方
キャスターは、2輪タイプと4輪タイプがあります。
| タイプ | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 4輪 | 小回りが利き、重い荷物も運びやすい | 空港やホテル、舗装された道が中心の旅 |
| 2輪 | 凹凸のある道に強く、走行音が静か。破損が少ない傾向 | 石畳や、でこぼこの道が多い旅 |
海外の旧市街や石畳の街では、4輪のキャスターが動きにくいことがあります。行き先の道の状況も、選ぶ基準のひとつにしましょう。
預けるときの注意点
スーツケースを預けるときは、次の点にも注意してください。
- リチウム電池を含むモバイルバッテリーは、預けられないのが一般的です。必ず機内持ち込みの荷物に入れてください。(航空会社の規定が優先されるため、事前にご確認ください。)
- 貴重品や壊れ物、薬、パスポートは、預けず、手元の手荷物に入れておきます。
- 名前や連絡先を書いたタグを付けておくと、紛失や取り違えのときに役立ちます。
- 目印のベルトやリボンを付けると、同じ色のスーツケースと見分けやすくなります。
- 荷物の重さは、出発前に、家のはかりで量っておきます。
失敗しやすいポイント
| 失敗の例 | 原因 | 防ぐ方法 |
|---|---|---|
| 機内持ち込みのつもりが、預けになった | 付属品を含めたサイズが規定を超えた | 付属品も含めて、サイズを測る |
| 預け入れで重量オーバー | 空のスーツケースが重い | 軽いタイプを選ぶ。出発前に重さを量る |
| 帰りにお土産が入らない | 行きの荷物でいっぱいにした | 大きめを選ぶか、サブバッグを持つ |
| 石畳で動かしにくい | 4輪で、段差に弱い | 行き先の道の状況を調べて選ぶ |
| 同じスーツケースと取り違える | 黒や紺が多く、似ている | ベルトやタグで目印を付ける |
FAQ
Q. 機内持ち込みと預け入れ、どちらがいいですか?
短い旅行なら、機内持ち込みのほうが、荷物を待つ時間や紛失のリスクを避けられます。ただ、重量やサイズの制限が厳しく、LCCでは7kgが主流のため、航空会社の規定を確認して決めましょう。
Q. ハードとソフト、どちらがおすすめですか?
壊れ物を入れる、頑丈さを重視するなら、ハードタイプです。軽さや出し入れのしやすさを重視するなら、ソフトタイプも向いています。
Q. TSAロックは必要ですか?
アメリカへの旅行や、アメリカ経由の旅行では、検査でロックが壊されないよう、TSAロックが安心です。それ以外の行き先でも、防犯のために選ぶ人は多くいます。
Q. 容量はどう決めればいいですか?
日数×10Lが目安です。お土産を買う予定がある場合は、一回り大きめを選びましょう。
Q. レンタルという選択肢はありますか?
旅行の回数が少ない場合は、レンタルを選ぶ人もいます。サイズ違いを試したいときにも便利です。費用や返却の条件は、サービスごとに異なるため、確認してください。
まとめ
海外旅行のスーツケースは、「旅の日数に合う容量」を決め、「航空会社の規定に合うサイズと重さ」を確認し、そのうえで、素材やロック、キャスターを選ぶと失敗しにくくなります。見た目やブランドで選ぶ前に、旅の条件から基準をつくることが大切です。
とくに見落としやすいのが、空のスーツケースの重さです。23kgの預け入れ制限や、10kg(LCCでは7kg)の機内持ち込み制限に収まるよう、軽さにも目を向けましょう。そして、モバイルバッテリーなどの預けられないものや、貴重品は、手元の荷物に入れておきましょう。
まずは、次の旅行の日数と、利用予定の航空会社の規定を確認してみてください。それだけで、選ぶべきスーツケースの条件が、はっきり見えてきます。