シンガポールを代表するリゾートアイランド、セントーサ島。ユニバーサル・スタジオ・シンガポールやビーチで知られるこの島が、これから約20年をかけて大きく生まれ変わろうとしています。

隣のブラニ島と一体になり、森の上を歩く空中遊歩道や、小島を歩いてめぐれる海上ボードウォーク、新しい交通システムなどが計画されています。

この記事では、発表された計画で「何ができるのか」「いつごろ楽しめるのか」を観光の目線で整理しました。あわせて、いまセントーサ島を訪れるなら押さえておきたい最新スポットもご紹介します。

セントーサ島で始まる20年がかりの大改造

2026年7月、島の開発を担うセントーサ開発公社(シンガポール政府系の機関)は、長期計画「グレーター・セントーサ・マスタープラン(Greater Sentosa Master Plan)」を発表しました。

発表で示された計画の骨子は、次のとおりです。

項目内容
期間今後約20年をかけて段階的に整備
対象エリアセントーサ島(約500ha)+隣のブラニ島(約120ha)
主なテーマ新しいランドマーク、ビーチと海岸線の刷新、自然を生かした体験、交通の改善
開業の目安2030年代初頭から順次オープン
将来の来場者見込み現在の約2倍(年間約3,200万人)

テーマパーク中心だったこれまでの島から、自然やビーチ、食事、ゆったりした散策を組み合わせて「のんびり滞在して楽しむ島」へと広がっていくイメージといえるでしょう。

ここからは、エリアごとに計画の中身を見ていきます。

森の上を歩く新名所――マウント・インビア

島の中央にある小高い丘、マウント・インビア(Mount Imbiah)周辺は、自然を感じられる新しい名所として整備されます。

  • インビア・キャノピー(Imbiah Canopy):丘の頂上につくられる新しいランドマークです。アトラクションやレストラン、ショップを備え、ブラニ島やセントーサ島、シンガポール本島の南側の海辺まで見渡せる展望スポットになる予定です。
  • インビア・ルックアウト・ウォーク(Imbiah Lookout Walk):森の木々の高さに設けられる、屋根付きの空中遊歩道です。すでにある緑道「センソリースケープ(Sensoryscape)」と展望エリアを結びます。マスタープランの中でも最初期に完成する施設の一つとされ、2030年代初頭の開業が見込まれています。
  • 自然と歴史の散策路:森や歴史的な建物を生かしたトレイルも整えられる計画です。

屋根付きの遊歩道なら、暑さや急な雨が気になるシンガポールでも歩きやすいかもしれません。

小島めぐりとビーチクラブ――生まれ変わる3つのビーチ

セントーサ島の南側に並ぶシロソ・ビーチ、パラワン・ビーチ、タンジョン・ビーチも、段階的にリニューアルされます。セントーサ開発公社の発表や現地メディアの報道で示された内容は、次のようなものです。

  • 海上ボードウォークで小島めぐり:約3kmの海岸線の沖に点在する小島を、海に浮かぶボードウォークで結ぶ計画です。歩いて島から島へ渡る体験ができるようになるでしょう。
  • 朝日・夕日を楽しむビーチクラブ:サンライズやサンセットを眺められる新しいビーチクラブが構想されています。
  • 森の中のダイニング:木々に囲まれて食事を楽しむ「樹上ダイニング」も検討されています。
  • センソリウム(Sensorium):ビーチ沿いに、ライフスタイル施設やイベント会場、緑地を組み合わせたエリアが整備される予定です。

昼は海辺を散歩し、夕方はビーチクラブで夕日を眺める――そんな過ごし方が、より楽しみやすくなりそうです。

港の島から遊びの島へ――ブラニ島の新エリア

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セントーサ島の北隣にあるブラニ島(Pulau Brani)は、現在は港として使われています。港の機能は2027年までにシンガポール西部のトゥアス港へ移る予定で、その跡地が新しい観光エリアに生まれ変わります。

  • ブラニ・ウェスト(Brani West):マスタープランの中でも最大級のアトラクション用地です。セントーサ開発公社によると、目玉となる大型アトラクションの誘致に向けてパートナー企業と協議が進められています。
  • ダウンタウン・サウス(Downtown South):シンガポール東部の人気レジャー施設「ダウンタウン・イースト」の南版となるリゾートです。2026年8月、ローレンス・ウォン首相が毎年恒例の演説(ナショナルデー・ラリー)で計画を明らかにしました。
  • ホテルや体験施設:新しいホテルや体験型の施設も配置される予定です。

ブラニ島で具体的に何ができるのかは、今後の続報を待つ段階です。

モノレールに代わる新しい交通システム

本島からセントーサ島への行き方も変わります。セントーサ開発公社の発表で示された計画は、次のとおりです。

交通手段計画の内容
ピープル・ムーバー(People Mover System)2007年から走るモノレール「セントーサ・エクスプレス」に代わる新しい交通システム。地上を走り、より多くの人を運べるようになる
アイランド・ハート(Island Heart Transport Hub)セントーサ島とブラニ島を結ぶ新しい玄関口。到着後に島内各地へ移動する拠点になる
シンガポール・ケーブルカー引き続き運行
水上タクシー導入を検討中

移動そのものが楽しい体験になるよう設計されるとのことで、混雑しやすい週末などの移動もスムーズになることが期待されます。

リゾート・ワールド・セントーサで進む新施設

マスタープランと並行して、島内の統合型リゾート「リゾート・ワールド・セントーサ」でも新しい施設が続々と登場しています。

2025年にオープンした施設

  • ミニオン・ランド(Minion Land):ユニバーサル・スタジオ・シンガポール内に登場した、映画『怪盗グルー』シリーズのミニオンをテーマにしたエリアです。
  • シンガポール・オーシャナリウム(Singapore Oceanarium):旧S.E.A.アクアリウムの約3倍の規模になった水族館で、22のゾーンで海の世界を体験できます。
  • WEAVE:40以上のレストランやショップが集まる商業エリアです。

これから登場予定の施設

  • スーパー・ニンテンドー・ワールド:ユニバーサル・スタジオ・シンガポール内に導入予定です。現地メディアの報道では2030年ごろが目安とされていますが、正式な開業日はまだ発表されていません。
  • ウォーターフロント開発:高級ホテル2棟(約700室)、商業施設、高さ約88mの光のモニュメントなどが、2030年の完成を目指して整備されています。

開業スケジュールの目安

これまでに発表・報道された内容をもとに、主なスケジュールを整理しました。

時期主な動き
2025年ミニオン・ランド、シンガポール・オーシャナリウム、WEAVEがオープン
2026年10月以降マスタープランの展示がセントーサ島内で開催予定
2027年までブラニ島の港機能が移転
2030年ごろリゾート・ワールド・セントーサのウォーターフロント開発が完成予定、スーパー・ニンテンドー・ワールドも同時期が目安
2030年代初頭〜インビア・ルックアウト・ウォークなど、マスタープランの施設が順次オープン
〜2040年代約20年をかけて段階的に完成

※時期は発表・報道時点の目安です。計画は変更される場合がありますので、最新情報をご確認ください。

いまセントーサ島を訪れるときのポイント

大改造の本番は2030年代ですが、いまの島にも新しい見どころが増えています。これから旅行を計画する方は、次の点を参考にしてみてください。

  • 2025年オープンの施設が狙い目:シンガポール・オーシャナリウムやミニオン・ランドは、いま行くならぜひ訪れたいスポットです。
  • 計画の展示をのぞいてみる:マスタープランを紹介する展示「Your Island. Reimagined.」は入場無料で、2026年10月以降はセントーサ島内での開催が予定されています。完成イメージを先取りできるので、旅の合間に立ち寄ってみるのもよいでしょう。
  • 徒歩での入島がおすすめ:本島のショッピングモール「ビボシティ」から続く遊歩道「セントーサ・ボードウォーク」を歩いて渡れば、海を眺めながら気軽にアクセスできます。入島料の有無は時期によって変わることがあるため、事前にご確認ください。
  • 料金は事前にチェック:現地ガイドサイトによると、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールは大人83シンガポールドル〜、シンガポール・オーシャナリウムは50シンガポールドル〜が目安です。複数の施設を回るなら、公式の割引パス「Sentosa Fun Discovery Pass」も比較してみるとよいでしょう(料金は要事前確認)。
  • 工事の情報も確認を:今後は段階的に工事が進むため、ビーチや施設の一部が利用できない期間があるかもしれません。出発前に公式サイトで最新の営業情報を確認しておくと安心です。

まとめ

セントーサ島は、これから約20年をかけて、ブラニ島と一体になった新しいリゾートエリアへと生まれ変わろうとしています。森の木々の間を歩く空中遊歩道、小島を渡る海上ボードウォーク、夕日を眺めるビーチクラブなど、テーマパークだけではない、ゆったりとした島時間を楽しめる場所が少しずつ増えていく予定です。

本格的に新しい姿が見えてくるのは2030年代に入ってからですが、2025年にはシンガポール・オーシャナリウムやミニオン・ランドが誕生し、島の変化はすでに始まっています。いまの島を楽しみながら、数年ごとに訪れて変わっていく様子を見届けるのも、この島ならではの楽しみ方かもしれません。

次のシンガポール旅行では、少し足をのばしてセントーサ島の「いま」と「これから」に触れてみてはいかがでしょうか。